2015年2月11日、パレスチナにゆかりのある、岩浅さん、向井さんを招いて、パレスチナ便を運航しました。
従来のイメージではない「パレスチナ」を教えてくださるのにふさわしいお二人でした。
パレスチナは陶器でも有名
※パレスチナ便レポートは、全部で3つあります!
Part1はこちら
Part3はこちら
続いてPart2。
「観光」という新しいパレスチナを旅した後は、岩浅さんによる、もう少しパレスチナ問題にフォーカスしたお話。
★衝撃の事実!?
最初は、アラファト議長の自宅での会談風景から。
岩浅さんは、お付き合いのあるビショップに連れられてきたとおっしゃっていましたが、そのビショップと、アラファト議長は、なんと親戚同士。
会場からも「え~!」という声が上がりました。
イスラム教徒とキリスト教徒は仲が悪いというイメージがありますが、パレスチナではイスラム教徒とキリスト教徒の間では交流があり、教会にイスラム教徒の方が行ったり、モスクにキリスト教徒の方が行ったりもするようです。
アラファト議長からいただいたというクリスマスカード
ベツレヘムの星目指して、3人の博士が向かったけれど、
今では壁があってたどり着けない…という風刺画
★パレスチナ自治区の変遷と今・・・
続いて、パレスチナ自治区の領土が、歴史とともにどのように変化していったか?と、検問所や壁によって、パレスチナ人が自由に移動できない状況を簡単に説明いただきました。
1947年の国連による分割案が出された後から、1967年の中東戦争後に設定されたグリーンライン、1994年のオスロ合意ではグリーンラインのところまで戻そうということになったものの、その後更に領土は狭まっていきます。
★パレスチナで行っていること・・・
続いては、岩浅さんがパレスチナでされている活動について。
パレスチナでは、日本のODAにより建てられた橋が破壊されたり、2006年に日本が提案した「平和と繁栄の回廊」構想が進まなかった状況でした。
当時、所属していた若者の起業を支援するNPOで、パレスチナに対する新しい支援を模索しないか?という話があがりました。支援がパレスチナの人々に役立つには、どんなニーズがあるのか実態調査をする必要がある! それを外務省に打診しました。
更に、地理的な理由から輸出がしやすい「ジェリコ」に、中小企業支援センター(団地)を設立し、パレスチナの中小企業を支援する計画も出しました。パレスチナの企業のほとんどは、零細・中小企業であり、これらをとりまく経済をまずは活性化することが目的です。
「ジェリコ」は肥沃な土地で農業が盛んではありましたが、候補地として取得していた土地は、緑も山も何もない荒地。そこから岩浅さんたちの挑戦が始まりました。
様々な苦難を乗り越え、現在は、ようやく、団地内の道路の整備や太陽光発電所などができあがってきているようです。
★問題解決について思うこと
岩浅さんのパレスチナでのご経験を聞くには、とてもとても少ない時間でしたが、最後の方では、問題解決について思うことをお話いただきました。
経済、政治、外交、そして特に領土問題は、そう簡単に白黒つけられる問題ではないこと、複雑な要因が絡まったグレーゾーンでいかに落としどころを見つけていく努力が必要であること、多角的に分析して全体にとってよい方向に持っていくことが必要であるとお話いただきました。
お話の終わりには、岩浅さんからパッセンジャーのみなさまに、エルサレムとベツレヘムの子どもたちが作成した、野の花のしおりをいただきました!
しおりを作った子どもたち
岩浅さんからもメッセージをいただきました!
== Lunch Trip に搭乗してみていかがでしたか? ==
先ず、とても楽しい企画にまとめ上げられていると感じました。
クルーの皆さまのドレスコードと言い、会の進め方と言い、一般の講演会やセミナーとは一味違った趣向が凝らされています。
学ぶ上で、このように「楽しく学ぶ工夫」はとても参考になり、今後のイベントの企画課題として大いに学ばせて頂きました。
== 岩浅さんとパレスチナの出会いのきっかけは何ですか? ==
私は、クリスチャンとして、聖書に出てくる数々の場所やそこでの出来事にはとても興味があり、訪ねて自分の目で見て、また聖地そのものを体験してみたいと思っていました。
それで日本聖公会東京教区の主教(Bishop)の聖地訪問の随行員の公募があり、それに応募して、認められ、随行員として訪問したのが最初の訪問です。
ただ、「出会い」の定義には色々あるでしょうが、本当の意味でのパレスチナとの出会いは、アラファトとの出会い、パレスチナの人々との出会い、それをきっかけとして知った数々の驚きが出会いと言って良いでしょう。
私たちはパレスチナに限らず、色々なことを通して、色々な出会いがあります。
その出会いを、ただ通りすがりの出会いにしないで、そこを、何かの出発になる出会いにする時、新たな人生の展開が始まるかも知れません。
皆さまにこれから素敵な出会いがあります様に心から祈っております。
== 岩浅さんからみたパレスチナの魅力を教えてください。==
第一に、聖書に出てくる場所に直接訪れる事ができる事でしょう。
聖書の中の出来事、そこで語ったイエスや弟子たちの話、そうした事を想いながら、その同じ場所に居ると思うだけで特別の思いが彷彿としてきます。
是非、訪問なさる前に、宗教書ではなく、歴史書としての新約聖書をご一読されてからいらっしゃることをお勧めします。
第二は、自然の美しさです。緑の野山や草花は勿論ですが、岩山や砂漠の様な荒れ野にも、自然の造形を楽しむことが出来ます。
第三は、そこに住む人々です。パレスチナ人は間違いなく親日的と言って良いでしょう。
あるパレスチナ人から聞きました。
『日本という国は、とても尊敬しています。あのアメリカと言う大国に堂々と戦いを挑み結果は壊滅状態になったが、そこから立ち上がって、世界第二の経済大国にまで復興させた。そのベースには、勤勉さと技術力そして知性の高さがある。パレスチナ人は皆日本を尊敬し、見習いたいと思っています。』
一人一人がプライドをもって、占領下という困難な現状を打ち破ってパレスチナを独立国家に築いて行こうとしています。
人々の誇り高い、そうした生きざまをみる時、フロンティア精神の原点を見る思いと同時に、私たちの心の底に潜んでいる力のようなものが、湧き上がってくる思いがしてくるのです。
== パッセンジャーのみなさまにメッセージを! ==
パレスチナで現在起きている事を、注意深く見てください。
先日のご案内でも話しましたが、国際法では、武力支配に対する抵抗活動は、「正当防衛」であると明記されています。
報道では、テロという言葉が様々な抵抗活動にも適用されている様ですが、テロへの報復と称して、権力側が抵抗活動を抑えようという動きがみられます。
イスラエルとの争いのどちらの言い分に正義があるかを、よく考えてみてください。自分に利が有る無しに関係なく、どちらの言い分が正しいのかを見極めてください。
そして出来る方法で声を挙げてください。良識ある世論の持ち主になることも、声を挙げることに通じると思っています。
Part3につづく・・・
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